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  殺処分の現状
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神奈川県川崎市




人口 約125万人
世帯数 55万世帯
面積 約144平方キロ
狂犬病予防法に基づく
登録犬数
約3万4千頭
<犬のデータ 表1>

<猫のデータ 表2>

※殺処分数は実数。計算上は、捕獲―返還+引取―譲渡=殺処分数 ※率は平成12年の対平成2年度比。
*猫の引取、負傷収容、殺処分数の減少、及び譲渡数は横ばい

平成12年度の殺処分数は185頭、平成2年度の1407頭に比べ実に87%も減らすことに成功している。私たちは、それでも年間185頭も殺されていることに痛みを感じながらも、この10年余の川崎市の殺処分数を減らす取り組みに強い関心と共感を持った。


川崎市はいかにして激減させることに成功したのか?

@動物ボランティアグループの紹介・・・民間の犬猫里親会との連携
 飼い犬の引取を依頼してくる市民に対し、新たな飼い主を見つけるよう説得し、その手助けをしてくれる川崎市内外の動物ボランティアグループを紹介し、それらのグループが市内外で主催する里親会に引取依頼者自身が参加し新飼い主を自らの責任で探すよう対応している。


A 繁殖業者やペットショップなどからの引取は拒否

B飼い主自覚の啓発と助成金制度<ex.飼い犬の繋留や終生飼養の指導、繁殖制限処置の奨励>
飼い主に対する飼い方指導はこまめに行い年間230回にも及ぶ。
不妊去勢手術の助成金制度もほそぼそとではあるが、維持している。犬猫ともメス3000円、オス2000円、各区保健所の割り当ては微々たるもので、実質的にはボランティア団体等が紹介する格安動物病院利用の方が費用的には負担が少ない。
迷い犬相談は年間4196件にも及び全相談件数の実に70%近くを占めているが、これらの相談や指導の機会を通じて、飼い主の意識変革には影響を与えていったと説明。

 

→行政が殺す行政から生かす行政へ飛躍する際の重要ポイントは、啓発、指導、教育。様々な(相談などの)機会を捉えて川崎市が取り組んだことは評価できる。
また、 不妊去勢キャンペーンを行ったり、実施したりしているグループや志井の人々の努力と実績も同時に評価したい。

C犬猫を譲渡する際の講習会における不妊去勢の指導及び終生飼養の指導
捕獲や引取の要求で入所する犬たちに生きるチャンスを与えることはとっても重要なこと。そのための前提の一つは、入所してくる犬猫たちが感染力の強いウィルスなどに冒されないよう清掃と消毒を丹念に行うことが必要となります。川崎市は毎日清掃、塩素系消毒を週1回以上行い、床暖房も施されており、犬の場合は、個室房を用意している。
 新たに犬猫などを飼育したいと希望する者に対し、事前の講習(基本的な法律、知識等)を義務づけている。この講習会を年間53回(実質上毎週)行い、197名が参加、引き渡し時にもしつけに関する講習を行っており、年間45回、176名が参加した。さらに川崎市民であることをいろいろな書類で確認し、動物実験業者などが混入することを防止している。
 これらの結果、子犬を希望する者は抽選となり、幼犬91頭はすべて新飼い主に譲渡され、成犬も50数頭は殺処分を免れたが、成犬の引取手はまだまだ少なく、殺処分数は185となった。
 

D小学校、幼稚園等への動物愛護の啓発(総合学習も含む)
 市として、川崎市内の12幼稚園、29保育園、1老人ホーム、22小学校、動物愛護センターなどで139回にわたり啓発活動を行った。(参加人数は、6735名)その主な内容は『動物ふれあい』であり、動物たちのストレスを考慮すると必ずしも賛同できるものではないが、同時に終生飼養についての説明、ビデオ放映、動物図書貸し出しなどで動物愛護の啓発を行った。

→私たちは、生体販売の問題点を指摘し、金貸し業のコマーシャルにみられるような衝動買いを進めるのではなく、どうしても飼育したい場合は、日々殺されていく犬猫たちをまず飼育対象に上げて欲しい、と要望。(市はブリーダーから直接購入することが一番いい、というようなニュアンスだった。ブリーダーの実態およびその影響(殺処分や動物の命の尊厳に対する教育的影響)と被害(購入後のクレームは多く、その一番の被害者は動物)にも注目する必要がある)


※殺処分数は実数。計算上は、引取+負傷収容―譲渡=殺処分数
※2 率は平成12年の対平成2年度比。

 猫の引取数の実に86%が子猫であり、又、負傷収容729匹のほとんどは段ボールなどに入れられて捨てられた乳児猫。動物遺棄は動物愛護管理法で厳しく罰則が規定されている犯罪であり、行政と警察など司法の協力で取り締まりを強化してほしいと思う。

 なお、近年、血統書付きと思われる純血種の引取が徐々に増えており、また、要介護の寝たきり老犬なども「動物病院で安楽死を拒否された、もうこれ以上介護できない」等の理由で引取を求められることも増えているという。
動物を飼うということは、動物を看取るということでもあり、とても苦労の多い大変なことです。無責任な人間に、動物を飼う資格はありません。

 
要望及び改善可能点などのコメント

1.4日間の公示期間をすぎただけの理由で殺処分せず、できるかぎり長期間、新飼い主を見つけるための情報公開を行い、生存の機会を最大限与えること

2.自治体相互に、或いは民間を含めた動物のための全国的な連携を強めること。(川崎市や東京都などでは子犬の譲渡率が100%、他県では譲渡可能である犬(仔犬)が多数殺されている。)

3.動物愛護センター職員のもつスキルや施設、車両などの活用。→獣医師の資格をもつ5名を含め、16名が勤務しており、行政が紹介する各団体への支援の一環とし、不妊去勢手術や健康チェックを行うこと。施設や車両などを生かすために有効に活用して欲しい。

4.動物のためのグループやNPO法人などへの助成金。→実績を上げている(里親会活動などを地道に行っている)動物ボランティアグループに川崎市として助成金を支出すべきこと。(動愛センターではなく川崎市への要望)

川崎市の総合的な取り組みは多くの成果を上げている。
現行動物愛護管理法の下でもこれだけのことが出来ているのであり、川崎市だけが特別の条件を持っているわけではない。
都道府県、政令指定都市など動物行政を行っている日本のすべての自治体で出来ることであることを確認したい。

しかも、私たちの目から見れば、川崎市でもまだまだ改善と工夫の余地が大いにあり、殺処分はさらに減少させることが可能だ思われる。

まして、生かすための根本的な転換をしていない多くの都道府県等は根本から考え直すことを切望するし、会員や支援者と共に追及していきたい。
 

     
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