ドイツ憲法‘動物の権利’を盛り込む
2002/05/18
たるべき世代のために、自然の命の基礎および動物を守る義務を有する
5月17日金曜日のドイツ連邦議会で、憲法(ドイツ基本法)の20a条の人間の尊厳を尊重し守ることを規定する条文に動物の権利が盛り込むことに議会下院で可決されました(賛成543人、反対19人、棄権15人)。
さらに、6月21日には上院議会でも3/2の賛成票を得て通過しました。これにより、ドイツはEU諸国で初めて基本法で動物の権利を保証する国となります!
ドイツには、動物の飼育方法が既に規定されていましたが、実験動物については充分ではありませんでした。しかし、これにより、実験動物の利用が大幅に制限されることになります。
この改正案は、10年に及び激しい議論を発展させてきました。
「今後、立法者は、国の目標である基本法にしたがい、動物を保護しなければならない。企業もおなじである」(キリスト教民主社会同盟のノルベルト・ガイス議員)
「重要なことは、動物の苦痛の軽減であり、食肉業や研究を妨げるものではない」(自由党のライネル・フンケ議員)
「これにより価値観が変わる。基本法の中心は今後とも人間だが、慎重にバランスをとっていくことになる。すぐには変化が起きないだろうが、研究・教育に関する動物実験はすべて正当化されなくなるであろう」(レナーテ・キュナスト消費者保護・農業相)
「今後実践されるよう、努力する。大規模な飼育や意味のない動物実験は、制限されるだろう」(ドイツ動物保護協会のウォルフガング・アペル会長)
動物愛護を憲法に盛り込む改憲案可決 夏に施行予定
【ベルリン藤生竹志】ドイツ連邦議会(下院)は17日、動物愛護を国家目標として基本法(憲法)に盛り込む改憲案を賛成多数で可決した。連邦参議院(上院)も通過する見通しで、夏には施行される予定。施行されれば欧州連合(EU)諸国では初めてとなる。今回、可決されたのは国の環境保護義務を定めた基本法20a条の改正案。「人間生活のための自然条件基盤」との条文の中に「動物も」と明記し、自然と動物の保護を国家の義務とした。
連立与党の社会民主党と90年連合・緑の党は、「動物保護は基本的人権の尊重と同様に重要な要素だ」として、東西統一(90年)直後から基本法に盛り込むよう主張してきた。保守のキリスト教民主・社会同盟は「基本法規定は人間のためであるべきだ」として、これまで3回、同改憲案の成立を阻んできたが、理念的な改憲案にとどまったことから今回は賛成した。
独の動物愛護団体は「動物愛護への第一歩だ」と一定の評価を与える一方、「改憲されても実態は何も変わらない。政権与党の9月の選挙戦に向けたポーズだ」と批判する声も出ている。
[毎日新聞5月18日]
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